すぎはら眼科内科

EndoBRAIN-EYEAI内視鏡画像診断支援システム

AI内視鏡画像診断支援システム「EndoBRAIN-EYE」を導入しました

EndoBRAIN-EYEイメージ

当クリニックでは、2026年6月オリンパス社製AI内視鏡画像診断支援システム 「EndoBRAIN-EYE(エンドブレイン・アイ)」 を導入いたしました。

近年、大腸がんは日本人に最も多いがんの一つとなっています。しかし、大腸がんの多くは、腺腫(adenoma) と呼ばれる前がん病変の段階で発見・切除することで予防できることが知られています。そのため、内視鏡検査では「病変を見逃さないこと」が極めて重要です。

EndoBRAIN-EYEとは

EndoBRAIN-EYEは、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を活用したCADe(Computer-Aided Detection:コンピューター支援病変検出)システムです。内視鏡映像を1秒間に多数のフレーム単位でリアルタイム解析し、ポリープや早期がんなど病変が疑われる部位をAIが瞬時に検出し、画面上に表示します。AIは膨大な数の内視鏡画像をディープラーニング(Deep Learning:深層学習)によって学習しており、人間の目では一瞬見落としてしまうような小さな病変や平坦な病変に対しても注意を促す役割を担います。

特に、大腸には数mm程度の小さなポリープや、表面がほとんど盛り上がらない平坦型病変(Flat lesion)や陥凹型病変(depressed lesion)、さらには鋸歯状病変(Sessile Serrated Lesion:SSL)と呼ばれる発見が難しい病変が存在します。これらは将来的に大腸がんへ進展する可能性があるため、確実な発見が重要です。AIは、このような病変に対しても内視鏡医へリアルタイムで注意を促し、見逃し防止を支援します。

EndoBRAIN-EYEの実際の画面

EndoBRAIN-EYEの実際の画面

EndoBRAIN-EYEの実際の画面(オリンパスメディカルサイトより)

もちろん、AIが診断を行うわけではありません。最終的な診断・治療方針の決定は、我々内視鏡専門医が患者さんの病変の形態、色調、血管構造、腺管構造、病歴などを総合的に判断して行います。EndoBRAIN-EYEは医師に完全に代わるものではなく、「もう一人の監視役(Second Observer)」として検査の質をさらに高めるための診断支援システムです。

ADR(腺腫発見率)の向上

近年の研究では、AIによる病変検出支援を用いることでADR(Adenoma Detection Rate:腺腫発見率)の向上が期待されることが報告されています1)。ADRは内視鏡検査の質を評価する国際的な指標であり、この数値が高いほど将来の大腸がん発症や大腸がん死亡率の低下につながることが示されています2)。AIは質の高い内視鏡検査を支える新しい技術として世界中で導入が進められています。

当クリニックの取り組み

当クリニックでは、これまでも高精細内視鏡や画像強調観察(NBI:Narrow Band Imaging)など最新技術を積極的に導入し、早期発見・早期治療に努めてまいりました。今回、EndoBRAIN-EYEを導入したことで、これまで培ってきた内視鏡診断技術にAIによるリアルタイム病変検出支援が加わり、より質の高い大腸内視鏡検査をご提供できる体制が整いました。

AIがリアルタイムで病変を検出

「できるだけ見逃さない内視鏡検査」を目指し、今後も最新の医療技術と医師の経験・知識を融合させながら、安全で精度の高い検査を提供してまいります。

大腸がんは早期発見・早期治療によって十分に予防・治療が可能な病気です。便潜血検査で陽性となった方、ご家族に大腸がんの既往がある方、40歳以上で一度も大腸内視鏡検査を受けたことがない方は、ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献:

  • 1) Makar J, et al. Use of artificial intelligence improves colonoscopy quality: a systematic review and meta-analysis. Gastrointestinal Endoscopy. 2025.
  • 2) Douglas A. Corley, et al. Adenoma Detection Rate and Risk of Colorectal Cancer and Death. New England Journal of Medicine 2014.